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無駄遣いをヌタヌタと書き綴ったブログ…

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たぶん世界でもっとも有名な伝説の剣 

ついでに移植のエクスカリバーについての覚え書き。
例によって例のごとく個人的に満足した調べ物ということで。

 アーサー王の偉大なる秘剣。エクスカリバーを持つ者が王国を支配する。
 その剣はかの魔術師マーリンが主張するように彼がアーサー王のために作った訳ではない。
 世にいわれている、アバロンの王座を得るためにアーサー王が岩から引き抜いたという剣は後にその素性が語られている。

曰く
「その偉大なる剣は、世にいわれているようにアバロンの王座を得るためにアーサー王が岩から引き抜いたというあの剣のことではない。」
「あのニセの剣は魔術師マーリンがどこかから買ってきて、彼が魔法をかけそこなって、たまたま岩に埋めこまれてしまったのだ。」
「たしかにアーサーを王座につかせる手助けとはなったが、その剣はふつうの鍛冶屋がごくふつうに作ったものにすぎない。」
「王がどこでエクスカリバーを手に入れたかは、謎だった。」
「マーリンは自分が作ったのだと主張するが……たしかに魔術師としての才能は秀でてはいるが、彼をよく知る者にいわせると、エクスカリバーには彼の力をもってしてもとうてい作れないほどの魔法が備わっているとのことだった。」
「アーサー王がエクスカリバーに関して話すことはなかったが、ギネビア王妃は一度だけ、それが妖精にも似た湖の淑女によって夫に与えられたものだ、ともらしたことがある」

 本当のエクスカリバーは魔法の武器である。刃には強力な呪文が吹き込まれ、象でさえ一刀のもとに真っぷたつにできるという代物だ。が、アバロンには象がいなかったのでアーサーはそれを自分の敵、アバロンの敵に対して使っていた。そして、あらゆる闘いに負け知らずだったのだ。その剣に魔法の力が秘められているという噂はたちまち広まり、アーサーの敵はまたたくまに減ってしまった。すなわち、戦争もなくなり、エクスカリバーは平和の根源であり象徴となったのだ。

その偉大なる剣はなんと被害点に10点を追加し基準点は……って誰もついて来れないようなことを書いても仕方がないのでこのへんで。


エクスカリバーを追いかけるのは実はロンギヌスの槍以上に困難である。
なぜなら、「エクスカリバーは真実存在しない」からである。
エクスカリバーといえばアーサー王であるがアーサー王自体が実在しない。
およそ5世紀末から6世紀はじめに「実在した」とされているが
現在に至るまでその証拠は何一つとして見つかっていない。

アーサー王について記したのは10世紀ごろに書かれたと推定される
「Annales Cambriae」が最初である。
そこには518年にバドンの丘の戦いでアーサーという名前の将軍が勝利を収めたこと、
539年にカムランの戦いで死亡したことが書かれている。

このことからわかるのは、実際にバドンの丘の戦いで大勝利を収めた
ルキウス・アルトリウス・カストゥス将軍がそのモデルだということを印象付けるぐらいなものでアーサーがいたことを示す記録にはなりません。
挙句ウェールズ年代記は現存する写本が新しく、その内容が原著通りであるかさえ疑わしいのです。
アーサーのモデルとしては他にもブリタニアのローマ人総督であったアンブロシウス・アウレリアヌスやブリトン王リオタムスなどがあげられる。

どうでもいいこととしてセイバーの真名アルトリアは↑のアルトリウスからアレンジされたものである。
アーサー自体がアレンジというべきかもしれないが。
アーサーのラテン語読みがアルトリゥスでありアルトリウスと同音のラテン語を
英語読みしている(フランス語ではアーチュールになるらしい)わけで。
アルトリアはこのラテン語のアルトリゥスを女性形にしている、とそういうわけです。
まぁこれについて真実そうかどうかは奈須きのこ氏にでも聞いてください。

話がめちゃめちゃ脱線しました。

さて、アーサーは初期文献には「軍を率いる者」=将軍として登場します
しかし、11世紀「聖ゴーズヌヴィウスの伝説」ではすでに
一介の将軍であったアーサーもまたこの中で王として数えられることになる。
そして12世紀に「Historia Regum Britanniae」が出てきて話は色々急変します。
実際問題としてのこの本は歴史資料としては厳密性にかけ、
とにかく色々な資料、~事実だろうが伝承だろうが~をひとつにまとめて
筆者の想像力で補ったもので多くの脚色が見られるものなのだが。
これが多くのアーサー王伝説の始まりであることは否定できない。

そしてこの中で言及されたのがアーサー王の件の名前。
「Caliburnus(カリブルヌス)」=「Caliburn(カリバーン)」である。
ちなみに原典はラテン語であるから、英語読みのカリバーンは後の創造ということになる。

この「Caliburnus(カリブルヌス)」であるが、これの語源はさらに遡る。
ケルト神話の「アルスター神話群」と呼ばれるものの中に登場する「Caladbolg(カラドボルグ)」(または「Caladcolg(カラドコルグ)」)と呼ばれる剣だ。
これは、ク・ホリンの友でありライバル、フェルグス・マック・ロイの持っていた剣で
いわゆるアーチャーの矢の元。(何の話だ)

アルスターとは、アイルランドを治めていた5つの氏族のうちの1つで
ケルト神話はキリスト教の神父たちが現地で聞いたものを書き留めたもので
ク・ホリンの伝承が綴られた「赤牛の書」と呼ばれるものや「レンスターの書」は
12世紀ごろのものとされる。

これらと時を同じくして後に「Red Book of Hergest(ヘルゲストの赤い本)」や「White Book of Rhydderch(ルゼルフの白い本)」としてまとめられマビノギオンの名で知られるウェールズ人の伝承、「Kilhwch and Olwen(キリッチとオルウェイン)」に「Caledfwlch(カレドヴルーフ)」という名でアーサー王の剣がでてきます。これが「Caliburnus(カリブルヌス)」の語源であるとの説もあります。
ただ、このマビノギオンの元となった写本が作られたのは一説には11世紀後半とも14世紀とも言われており、
伝承自体の成立時期と実際に写本が作られた時期には差がある可能性があるため
14世紀の成立である場合、11世紀後半から12世紀ころとで名前が果たして一緒であるかには疑問がある。

また、一説には、アルスター神話群に「カラドボルグ」という剣があることを知っていた詩人が、それにあわせて、「カレドヴルーフ」という剣の名前を創造、それが元になっているのだとする説もあるが、ブリトン人はアイリッシュ・ケルトを、蛮族と嫌った歴史があるぐらい仲が悪かったため
この説には疑問が残る。

「Historia Regum Britanniae」の「Caliburnus」が
「Caledfwlch」を元にしたのか「Caladbolg」が元であるのかはさておき。
絶大な影響力を持った「Historia Regum Britanniae」はそのまま「Caliburnus」
を引っさげて海を渡ります。

フランス人ロバート・ワースによってフランス語に訳された「ブリュ物語」では
フランス語風に「カリブール(Calibour)」に変化。
とはいうものの、この時期の写本は手書きであるため書き写し間違いも多く
いくつかのスペル違いが存在する。
ちなみに、アーサー王伝説に円卓の騎士という要素をはじめて入れ込んだのは
このブリュ物語である。

その後、クレティアン・ド・トロワにより王都にはキャメロットと言う名が与えられ、
ランスロット、ガウェイン、パーシヴァルといった有名な騎士たちも彼によって加えられた。
ちなみに聖杯(Grail)について加えたのも彼であるがこれはまた別の機会に。
さて。クレティアンはアーサー王の剣をなんと書いているか。
実は「Escalibor(エスカリブール)」となっている。

だがしかし。
この「es」は、意味のない単語だったりする。
一説では、どこかの段階で、「そして」や「~と」という意味の”Et”がついた「Calibour」
つまり~ Et Calibour ~という文章をEtをEsと読み違えて一語にしてしまったのが原因で、
「Escalibor」という一語の固有名詞になってしまったのではないか? と、いう。
前にも書いたが、手書きの写本の時代、それは大いにありえることだが
今となってはそれを証明する手立てはない。

これがまた海を渡って英語になる際に問題になる。
「Es」とはなにか。
もともと意味がないのであるから、相当する語がないわけで、
苦肉の策でつけられたのが「ex」とそういうことであるらしい。
この段階で、英語読みしたものが「ExCalibour(エクスカリボー)」

そしてイギリスに戻ったアーサー王の剣は
トーマス・マロリーがいくつかのフランス、ウェールズで成立したアーサー王伝説をまとめて
書き直した有名な、“Morte d'Arthur”の中で、「Excalibur(エクスカリバー)」
となる。

ただし、ここで更なる問題が生じ、
かの岩から引き抜いた剣(つまり冒頭で言うところのマーリンが失敗して岩にぶっさした剣)と
湖の淑女からもらう剣の両方が「Excalibur」だということである。

これはもともとつながりのない別の伝説であった
ペリノア王に剣を折られるという伝説と
湖の淑女から剣を借り、死に際して剣を返すという二つのアーサー王の剣にまつわる伝説を
マロリーがひとつにつなげてしまったが故におきた矛盾である。
本来アーサー王の剣といえば「Caliburnus」である。
それが折られる伝説であればそれは「Caliburnus」が折られるのであり、
湖の淑女に剣を返す伝説は結局のところアーサー王の剣であるが故に
「Caliburnus」であるということである。
「アーサー王の剣が折れる」と「アーサーが湖の淑女に剣を返却する」伝説は
残っているのだが「岩から剣を抜く」と「湖の淑女から剣をもらう」が残っていないことから
判断はしかねる部分もあるが岩から剣を引き抜くというのはマロリーより以前では見受けられないようである。

しかし。
幸いにして「Caliburnus」として英国を出た剣は「Excalibur」として英国に戻ってきていた。
ゆえに、「Caliburnus」は「Ex」「Caliburnus」として再生した
という後付の説が生み出されることになったのである。

実際に言ってしまえば「Caliburnus」と「Excalibur」はまったく同一のものであり
岩から引き抜いた剣というエピソードをマロリーが付け加えたとするのであれば
その剣はマロリー以前に「Caliburnus」(=「Excalibur」)ではありえない。
湖の淑女に剣を返すことなど考えもしなかった剣を折られる伝説と
剣を折られたことなど露知らず作った湖の淑女に剣を返す伝説をつないでみたら
年代的に岩から剣を引き抜き、剣を折られ、湖の淑女に剣をもらった後に死に際して剣を返す
という順番になったに過ぎないといえるだろう。

アーサー王伝説は所詮は物語であるから、どの剣がエクスカリバーであるかということは
実はあまり重要ではない。
そのすべてがエクスカリバーであったとしても、そうでなかったとしても
アーサー王伝説そのものを揺るがすことにはならないからである。
たとえそれがエクスカリバーであろうとなかろうとアーサーは岩から剣を引き抜くし、
死に際して湖の淑女に剣を返すのである。
アーサーが持つ剣こそが「Caliburnus」であり「Excalibur」であるのであって
剣自体が「Caliburnus」である必要はないのだ。
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[ 2007/11/25 21:22 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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管理人の更新するまでもないメモ書きです。

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