マケドニア玩具倉庫

無駄遣いをヌタヌタと書き綴ったブログ…
月別アーカイブ  [ 2016年02月 ] 

イタリア戦艦本製作開始 

結局作り始めてしまった。
最終的な引き金を引いたのは世界の戦艦プロファイル(大○本絵画)であった。

Amazonレビューで星4.7と高評価だったこともあり1隻を掘り下げるスタイルではないんので軽い解説は覚悟の上だったが、ネイビーヤード編集部ということで模型作例用のリサーチでは瑞鶴の甲板を現存映像から補正ソフトで平面形状を割り出すなどなかなか先進的な面もあったこともあり多少は既存情報の中でもレベルの高いまとめを期待していたのですが。

以下引用する一文で心が折れました。

「タラント空襲でコンテ・ディ・カヴールは大破着底、浮揚には成功したものの修理は着手されず、戦後の1952年に解体処分されている」


浮揚には成功、修理は着手されず、1952年頃に解体された

タラント空襲から75年目にして新事実爆誕!


今すぐ星に帰れ!

なにも一つぐらい間違いがあっても今更、とお思いの向きもあるだろう。
違うんだ。
これがつまり、イタリア戦艦のことなど全く知らないし仕事であっても調べる気もないし、世○の艦船丸写しだという決定的な証拠なのだ。

どういうことかというとコンテ・ディ・カブールがタラント空襲で大破着底したところまではみなさん異論もないだろう。
水面から艦橋などの上部構造物だけが出ている痛ましい姿は誰がどうみたって大破状態だ。

ところで世○の艦船2000/7の第2次世界大戦のイタリア戦艦の記事「第2次大戦に参加したイタリア戦艦のプロフィル コンテ・ディ・カブール級」に以下の様な記述がある。

「コンテ・ディ・カブールは、第2次世界大戦終結時には大破状態にあり、1952年頃に解体された」

大戦終結時には大破状態にあり、1952年頃に解体


もうおわかりと思う。
イタリア戦艦について何も知らない筆者はこの記述とタラント空襲で大破した、のあれとこれとが頭のなかで一本の線で結ばれてしまったのだ。
大破状態になった後、大破状態で終戦を迎えたのだから当然修理なんてされていない。
そこに修理未着手という新事実が生まれてしまったというわけだ。

そして、それが事実であるかなんてきちんとチェックはされたはずはなかった。
このプロフィルは主に船体構造の解説と終戦時の状況しか記載がなく、他の戦史はこの後ろ、「戦歴と検証の評価」にまとめられている。
そこにこう書いてある。
「カブールの救難作業は難航し、1947年7月浮揚には成功したものの、ついに休戦まで艦隊復帰はできなかった」

浮揚には成功
艦隊復帰はできなかった

じゃあやっぱり修理なんてされてませんよね♪

誕生!珍説「コンテ・ディ・カブールはタラントで大破した後浮揚には成功したが修理はされず大破状態のまま終戦を迎え1952年頃解体された」


さらにはこの素人が2分(たまたま最初に手にとったのがあたりだっただけだが)調べただけでどの文を写したのかすら分かってしまうようなお粗末な珍説をだれもチェックしないで/または嘘だとわからず本に載せたのである。
だいたいにして普通なら解体の前に1947年除籍がまずはかかれるはずなのになんでないのかな?とかね。

もうね、絶望しか無い。
そもそもプロフィルと戦歴の検証と評価の筆者は別人である。
その時点で内容がリンクしているわけはない。
脳内妄想で都合のいい表記を見つけてくっつけてしまったのだ。
これが戦艦大和や武蔵でも同じことをしただろうか。

戦艦武蔵はアメリカ軍がパラオに迫ったため一時環礁を出て警戒行動を採っていたものの米潜水艦の雷撃により艦首部を損傷、
最終的に魚雷の被害で1番主砲塔より前の非防御区画が全部浸水してし浮力を失ったことが沈没の直接的な原因となった。
沈没直前の艦首部の浮力が失われた姿が駆逐艦磯風の水雷長が撮影した写真に残っており、利根からは猪口艦長に対し『ザイドリッツの戦例に鑑み艦首浮力の保持に努められよ』と信号が送られたとのエピソードも残っている。

どうよ?なにもしらなければ文章としてはおかしくなかろ?
そして個別の事実は嘘でもなかろ?
でもこんなこと書いてあったら怒るだろ?

武蔵が沈んだのはレイテ沖海戦だよ!って。
魚雷は魚雷でも航空魚雷だよ!って。
そのぐらい酷い適当な仕事だよ。。。。

Cavour_23 (1)

終戦後のカブールの姿である。
これが浮揚に成功して修理されなかった戦艦に見えるなら脳神経科か眼科に行くことをおすすめする。
浮揚してタラントからトリエステに移動して行われたカブールの修理は1941年の終わりには概ね完了しており、翌1942年以降イタリア休戦までの間、新規改装工事を行っている。
カイオ・デュイリオで採用した135mm副砲を両用砲化した連装砲へ換装し、レーダーの装備など装備を一新して強化する計画だった。
しかし工事は遅々として進まず最終的には修理完了時には健在だった測距儀も外してしまった、かなり不完全な姿で休戦を迎えている。

そしてレジア・マリーナの主力艦艇がマルタに逃れる中、トリエステに取り残されたカブールはドイツ軍が接収、1945年に連合軍が空爆してこれを撃沈、写真のような転覆した状態で終戦を迎えた。
港だったから大破扱いだっただけでぶっちゃけ完全な撃沈である。

知らなかったというかもしれない。
でも知らなかったら何書いてもいいってわけじゃないのは普通わかるだろ…。
でもそんなレベルの扱いしか受けていないのが今のイタリア戦艦なのだ。

日本語書籍で目を通した中で一番イタリア戦艦について新しい説をきちんと紹介しているのは
ミリタリークラシックスの2012年6月号掲載のリットリオ級の紹介である。
こちらは何十年も前に書かれたような世界の○船の丸写しではなく、
Erminio Bagnasco著のThe Littorio Classの内容を取り入れた解説になっている。
もちろんこれだって大きな間違いがあるかもしれないが、世界の○船が広めた当時の知識から
かなり進歩し、かなり突っ込んだ内容となっている。
だいたい40年も前に出たイタリア書籍にも書いてあることが世界の○船では間違って紹介されているわけだから
それを丸写しとかマジありえないわけで。

先日紹介したダンケルクの航続距離も世界の○船のフランス戦艦の孫引きである。
試しに各国のwikiなどググってみるとわかるのだが世界のどこにもそんな珍説紹介されていない。
なのに日本では複数の出版社、複数の書籍にドヤ顔で掲載されているのだ。
そしてそれらが全部無検証の孫引きであることは言うまでもない。

だから本能的に変だなと思って珍説「大西洋での行動を視野に入れたからダンケルクは航続距離が長い」
とか言うのが生まれるわけだ。
ダンケルクの拡大版であるリシュリューが12knotで10000海里と書いたその手で、ダンケルクが17knotで16400海里と書いたらおかしいと思えよ、ってだけの話である。
フランスだのイタリアだの人気がないから調べる手間を割くのが惜しいのかもしれない。
日本語資料に乏しい船について基礎的なところを世界の○船に頼るのもわかる。
でもそれを無批判に丸写しする意味が本当にあんのかね?

というわけで国内で出版される書籍に期待するのはもうやめた。
もしかしたら今まさにすごい精度の執筆している人がいるかもしれない。
だがまぁただのイタリアをはじめとした欧州艦好き一年生にはそれを知るすべはないので、
自分が納得できる本を作りたいだけである。

同人誌で金を儲けて何が悪いなどの議論があるのは承知しているのだが、
自分の同人のモットーは欲しいものは先ず探す。
そして、「自分が欲しいものが無いのであれば自分で作ってしまえ」である。
どんな本になるのか、本当に完成するのかもわからないが、
まずは手を動かさなければ始まらない。
当然、ただの素人なのでクオリティはお察しであるがあからさまな嘘はない本にしたいと思っています。

稚拙ながらもイタリア戦艦の基礎基礎が押さえられた入門本、みたいなものになったらいいなぁと思っています。



あ、これやってるので黒森峰作る作業時間が失われているのは勘弁な!
[ 2016/02/27 01:59 ] 日記 | TB(0) | CM(6)
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